やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2019/04/09
経営コンサルティング契約書と印紙税

[相談]

 私はこのたび、経営コンサルタントとして独立することになりました。
 そこで相談したいのですが、経営コンサルティング契約を締結した顧客と取り交わす契約書には、印紙の貼付が必要なのでしょうか。


[回答]

 ご相談の経営コンサルティング業務に関する契約書については、原則として、印紙税の不課税文書に該当するものと考えられます。


[解説]

1. 委任契約と請負契約の違い

 事業者と経営コンサルタント(中小企業診断士など)との間において、事業者の事業について経営コンサルティングを行うこととし、その業務の範囲や報酬等について定める契約(経営指導に関する契約)については、委任契約であると解されています。

 この委任契約とは、当事者の一方(委任者)が相手方(受任者)に財産の売買などの法律行為を委託し、相手方がこれを承諾することによって成立する契約をいうものとされています。

 また、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約する契約を請負契約といいます。

 委任契約と請負契約との違いは、請負が仕事の完成を目的とするものであるのに対して、委任は一定の目的に従って事務を処理すること自体が目的であり、必ずしも仕事の完成を目的とはしていない点です。さらに、委任においては、受任者に対してある程度の裁量を認め、事務処理をする過程を重視していることから、当事者間に信任・信頼関係が生じます。

 委任に関する契約書については、平成元年3月31日までは課税文書とされていましたが、平成元年4月1日以降に作成されるものから課税が廃止されています。


2. 経営コンサルティング契約書についての印紙税の課否判断

 今回の経営コンサルティング契約のように、他人の特殊な経験、知識、才能等を信頼して、何らかの事務処理を委託するような契約は、委任契約の一つであると考えられることから、印紙税法上の課税文書には該当しません。

 ただし、経営コンサルタントの行う業務の中に何らかの書類を作成する業務があって、その書類の作成とこれに対する報酬の支払いとが対応関係にある場合には、その契約は仕事の完成を目的とする契約、すなわち請負契約に該当する場合もあると考えられます。この場合には、印紙税法上の第2号文書(請負に関する契約書)として取り扱われるため、原則として、印紙の貼付が必要となります。

(留意点)
 経営コンサルティング契約において、経営指導基本契約書などと称した契約書を作成することがありますが、委任契約書は印紙税法上の「継続的取引の基本となる契約書の範囲」には含まれていないことから、その契約書は印紙税法上の第7号文書には該当しません。


 上記のとおり、契約書に関する印紙税の課否判断はその過程が非常に複雑です。初めて契約書を作成されるような場合には、当事務所へご相談ください。


[根拠法令等]
 印法別表第一、印令26、印基通別表一第2号文書の1、民法632、643など


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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