やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2019/05/14
区分記載請求書に記載する合計金額を税抜とすることはできるか

[相談]

 私の経営する会社は、軽減税率対象品目の販売を行っていますので、今年10月1日から軽減税率制度の開始に向け、新しい請求書(区分記載請求書)を発行できるようにするためのシステムの改修を計画しています。
 ところで、区分記載請求書では税率区分ごとに合計した税込請求金額を記載しなければいけませんが、2023年10月1日からの適格請求書では、税率区分ごとの合計額は税込・税抜どちらかで記載をし、あわせて消費税額も記載するようになると聞きました。
 それならば、今回のシステム改修で税抜金額の合計額と消費税額を併記できるようにした方がコストパフォーマンスがよいと思うのですが、そのようにしては問題があるでしょうか。


[回答]

 ご相談の場合、2019年10月1日以降に発行する請求書等について、税率ごとに区分した税抜価格の合計額と消費税額を併記しても問題ありません。


[解説]

1. 区分記載請求書等保存方式の記載事項

 2019年10月1日以降に軽減税率対象品目の販売を行う場合、事業者が発行するレシートや請求書には、従来の消費税法上の記載内容に加えて、「販売した商品等が軽減税率対象品目である場合には、その旨」と「税率ごとに区分して合計した税込価格」を記載することが必要となります。
 消費税法上の仕入税額控除の適用を受けるためには、その記載要件を満たした請求書等を帳簿とともに保存することが要件となります。これを区分記載請求書等保存方式といいます。


2. 区分記載請求書と適格請求書の記載内容の違い

 上記1.の区分記載請求書等保存方式に代えて、2023年10月1日から導入される適格請求書等保存方式では、請求書等の記載内容に「適格請求書発行者の登録番号」、「税率ごとに区分した税抜価格あるいは税込価格の合計額と適用税率」と「消費税額」が追加されます。


3. 適格請求書等保存方式を見据えた対応

 上記1.と2.で述べたように、区分記載請求書等保存方式では、請求書等の金額は「税込」で記載することが要件であるのに対し、適格請求書等保存方式では、「税込」「税抜」どちらで記載してもよいこととされています(ただし、消費税額を別途記載することが必要)。

 この点について、ご相談のように2023年10月1日より前に適格請求書への対応までを見込んだシステム改修を行った場合については、そのシステムによって発行される請求書等が適格請求書の記載内容を満たしていれば、その請求書等は区分記載請求書としても認められることとされています。

 また、複数税率に対応したレジ等の導入を2019年9月30日までに完了させると、国から「軽減税率対策補助金」を受給できる場合もあります。
 さらに、システム改修等が軽減税率制度の実施に対してなされているものに限定されていることにつき、作業指図書等で明確にされている場合には、その費用は損金算入しても差し支えないという国税庁の見解も出されています。


 以上のことから考えると、今回のご相談のように、最初から適格請求書の発行を見据えたシステム改修を行えば、複数税率導入にかかる時間的・金銭的コストをより抑えることができるのではないかと考えられます。

 なお、適格請求書導入を見据えたシステム改修を行う場合には、上記2.の「適格請求書発行者の登録番号」の申請開始は2021年10月が予定されていることや、適格請求書における1円未満の端数処理は品目ごとではなく、適格請求書ごと・税率の異なるごとにそれぞれ1回だけ行うという点にもあらかじめご留意いただくとよいと思います。


[参考]
 改正法附則 34、新消法 57 の4、消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関する取扱通達3-12、国税庁「消費税の軽減税率制度の実施に伴うシステム修正費用の取扱いについて」「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」など


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