やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2019/06/25
平成30年度査察事案 告発件数は121件・脱税額は112億円

 査察は、“悪質な脱税者”に対する税務調査になりますが、この査察に関する平成30年度の概要が国税庁サイトで公表されました。

 これによれば、着手件数自体は年々右肩下がりになっていますが、告発件数(120件前後)、告発分の脱税額(110〜130億円の範囲内で推移)、1件あたりの脱税額(1億円前後)など、全体の数値はさほど変わらない印象を受けます。

 他方、税目別に見ると、告発件数や脱税額は変化を見せており、たとえば平成30年度では、消費税や源泉所得税の告発件数や脱税額が、例年に比べて増加している点が特徴といえるでしょう。

 重点事案としては、ここ数年変わらず次の4つです。

1.消費税受還付事案

 輸出免税など消費税の還付制度を悪用した、還付事案です。

2.無申告ほ脱事案

 平成23年に創設された単純無申告ほ脱犯(故意の無申告不提出によるほ脱犯)の告発件数は、年々右肩上がりになっています。

3.国際事案

 海外取引を利用した悪質な事案です。租税条約等に基づく情報交換制度が積極的に利用されているようです。

4.社会的波及効果の高い事案

 需要拡大による市場取引が上昇傾向にある事業を狙ってチェックしているようです。


 各事案ごとに、事例が紹介されています。一部抜粋したものは、次のとおりです。

  • 免税店(輸出物品販売場)制度を悪用した不正受還付事案を告発
     近年の訪日外国人旅行者(インバウンド)の増加や免税店(輸出物品販売場)の増加を背景に、免税店における輸出免税制度を悪用して不正に消費税の還付を受けようとした者を告発。
  • 太陽光発電施設の取得を装った不正受還付事案を告発
     太陽光発電施設を運営し、発電した電気を再生可能エネルギー固定価格買取制度に基づき販売していた事業者による消費税の不正受還付事案を告発。
  • 他人名義を使用したFX取引利益の無申告ほ脱事案を告発
     無店舗形態やヒト・モノの移動を伴わないなど匿名性の高いインターネットによる取引が普及しているところ、インターネットを介して数十もの他人名義で取引を行うことにより所得を隠していた無申告ほ脱事案を告発。
  • 私設ファンクラブ運営利益の単純無申告ほ脱事案を告発
     個人事業により得た所得に係る申告義務を認識していながら、所得税の確定申告を行わず故意に納税を免れていた単純無申告ほ脱事案を告発。
  • 外国法人を利用した法人税・源泉所得税事案を告発
     海外取引を利用した不正は、執行管轄権等の制約のため調査は困難を伴いますが、外国との間で締結した租税条約等に基づく情報交換制度を活用するなどして、海外取引を利用した不正を解明し、法人税及び源泉所得税事案を告発。
  • 中古自動車の輸出販売を装った消費税受還付の長期事案を告発
     中古自動車の販売事業者による輸出販売を装った不正取引の解明に3年余りを要しましたが、検察当局の協力の下、当該不正取引を解明し、消費税の不正受還付事案を告発。
  • 好況なネット通販事業者の告発
     近年、インターネット等のネットワークを通じた多様な経済取引が可能となっているところ、このような取引で得た多額の利益を隠し法人税を免れていた事案に対し、デジタルフォレンジック技術を活用するなどして不正を解明し告発。
  • 好況な不動産事業者の告発
     近年、不動産業の売上及び経常利益が上向いている状況ですが、不動産取引による売上を正しく申告しないほか、架空経費を計上し、所得(利益)を過少に申告していた事案を告発。

 詳しい内容は、下記URLよりご確認ください。


[参考]
 国税庁:平成30年度 査察の概要


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