やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2022/09/27
親が自分で購入した墓石等の未払い代金の相続税債務控除適用可否

[相談]

 私の家には先祖代々のお墓があるのですが、遠方にあり、また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあって、お墓参りが年々困難になってきています。
 このため、今後の家族の負担も考えて、近くでの墓石・墓地の買い替えを検討しています。
 そこでお聞きしたいのですが、私が新たな墓石・墓地等の購入契約を結び、かつ、私の死亡時にその代金が未払いとなった場合、私の相続税の計算上、それらの購入費用は私の遺産総額から差し引くことができるのでしょうか。教えてください。


[回答]

 ご相談の墓石・墓地購入についての未払い代金は、遺産総額から差し引くこと(相続税法上の債務控除の規定を適用すること)はできません。


[解説]

1.相続税法上の債務控除とは

 相続税の計算上、亡くなった方(被相続人)が残した借入金などの債務は、その遺産総額から差し引くことができます(※1)。この制度のことを、「債務控除」といいます。

 このとき、遺産総額から差し引くことができる債務は、被相続人が死亡したときにあった債務で確実と認められるものです。

※1 債務を遺産総額から差し引くことができる人は、相続や遺贈で財産を取得した時に日本国内に住所があることなどの一定の要件を満たす人で、実際にその債務を負担することになる相続人等です。

2.相続税法上の非課税財産

 相続税法上、墓所、霊びょう(※2)、祭具など(※3)の価額は、遺産総額に含めない(相続税非課税財産)と定められています。

※2 「墓所、霊びょう」には、墓地、墓石、おたまや(先祖の霊や貴人の霊をまつる殿堂のことで、みたまやともいわれます)のようなもののほか、これらのものの尊厳の維持に要する土地その他の物件も含むものとして取り扱われています。

※3 上記のほか、庭内神し(ていないしんし:民家などの庭の中に祠や社(やしろ)を建て神仏を祀る小規模な施設のこと)、神棚、神体、神具、仏壇、位牌、仏像、仏具、古墳等で日常礼拝の用に供しているものも相続税非課税財産に含まれますが、商品、骨とう品または投資の対象として所有するものは対象外とされています。

3.被相続人が生前に購入した墓石等の未払い代金の取扱い

 上記2.のとおり、墓石・墓地等は相続税非課税と定められています。

 このことから、相続税法上、被相続人の生存中に墓石・墓地等を買い入れ、その代金が未払いであるような場合には、その未払い代金については、上記1.の債務控除の適用がないものとして取扱われています。

 したがって、今回のご相談の墓石・墓地購入費用がご相談者の死亡時に未払いとなった場合であっても、その未払い代金については、ご相談者の遺産総額から差し引くことはできないこととなります。

[参考]
相法12、13、相基通12-1、13-6など


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